Jw_cadで「拡大」したい時に知っておきたいポイントを3つご紹介します!
目次
マウスホイールで拡大と縮小がしたい!
作図をしていると、マウスホイールでの拡大と縮小が絶対に必要になってきますよね。Jw_cadをダウンロードした最初のデフォルト仕様では、これができない設定になっています。どのようにしたらその設定にできるかをご説明します。
1⃣ ① 『設定』をクリック。
② 『基本設定』をクリック。
2⃣ ①『一般(2)』タブをクリック。
② 『マウスホイール』の『+』又は『-』にチェックを入れる。
③ 『OK』をクリック。
3⃣ 以上で完了です。マウスホイールを上下して、「拡大・縮小」ができるのを確認してください。
マウスドラッグで図面の拡大・縮小をする方法
例えば下の画像のように、図面のある部分だけ拡大したい時は、移動させたいときってありますよね。マウスホイールをぐるぐると回して拡大表示することもできるけど、毎回その手間が煩わしかったり。一発で拡大・縮小や移動する方法をご説明しましょう!
ずばり、そのドラッグ方法とは!?
下の絵をご覧ください。
まずマウスの両ボタンを同時にクリック、そこから図の方向にドラッグすることで、それぞれ画面の拡大、縮小、全体、前倍率に画面を変えることができます。
表示させる場所 | ドラッグする方向 |
全 体 (用紙枠を画面いっぱいに表示させる) |
12時から 3時 |
拡 大 | 3時から 6時 |
前倍率 (その直前に表示した画面を再表示させること) |
6時から 9 |
縮 小 | 9時から12時 |
『全体』とはなにか?
Jwデータで用紙のサイズを決めると、そのサイズの用紙の線が点線で表示されます。『全体』にすると、その点線が画面いっぱいに表示してくれます。その点線内に基本製図しておけば、間違ってスクロールして、図面がどこに行ったか分からない時に、『全体』をすることで、元の場所に戻ることができるので、とても便利です!
まずは用紙枠が表示される設定にしてみましょう。
1⃣ ①『設定』をクリック。
② 『基本設定』をクリック。2⃣ ①『一般(1)』タブをクリック。
②『用紙枠を表示する』にチェックを入れる。3⃣用紙枠が赤い点線で表示されたのが分かります。(画面いっぱいに表示されるので、スクロールして確認してください。)
用紙枠のサイズを設定してみよう!
1⃣ ① 画面下、縮尺の左にある用紙サイズのボタンをクリック。
② 変更したい用紙サイズをクリック。以上です。
参考:用紙サイズ表
用紙サイズを表にしましたので、参考にしてください。縦横比は全て同じ。2A~5Aは聞きなれない方も多いかと思いますが、A-0 を2倍、4倍と大きくしたサイズです。
一度で『拡大』するには?
では『拡大』について実例を用いてご説明します。例えば図面のこの部分を一度で拡大したい時。
1⃣ 拡大したい箇所の左上で両ボタンをクリックする。(ドラッグするのでこのまま離さない)
2⃣ そのまま、拡大する箇所の右下の点(3時から6時方向)にドラッグして指を離す。
3⃣ 完了!囲ったところが拡大されました!
『前倍率』とは?
『前倍率』とは、言葉が示す通り、その時に表示している画面の前に表示していた画面の範囲に戻すことです。ただし、スクロールでズームを変えた場合はこの機能は使えません。一つのデータに沢山の図面がある時よく使います。
1⃣ このように広い範囲から、一部にズームしたいとします。
①ズームしたいところを『拡大』します。(両ボタンを3時から6時方向にドラッグ)
2⃣ 拡大表示されました。修正も済み、また『全体』に戻りたいとします。(両ボタンを12時から3時方向にドラッグ)
先程の『全体』に戻りました。「あ、やっぱりさっきのところの修正をもう一度したい」となった時に『前倍率』を使います。(両ボタンを6時から9時方向にドラッグ)
4⃣ 先程の2)と全く同じ範囲が表示されました。
いかがでしたでしょうか。同じデータ内にいくつも図面があり、あっちこっちと修正したりしている時にはとても便利な機能ですので、覚えてみると作業効率がまたぐっと上がりますのでお勧めです!
柱(〇、▢)を一度に拡大する効率的な裏技!!
CADオペをしていて『拡大』というのが必要になることといえば、伏図に既に描いた柱を全て一律大きくする作業というのが発生したりします。沢山の柱を一つ一つ複線で大きくしたり、一つ一つ描き直すのは大変な作業です。建物に柱は沢山ありますので、できるだけ作業は効率化させたいですよね。そこで、柱がどれだけあってもあっという間に大きくする方法を以前思い付きましたので、お紹介します。
1⃣ 例えば、下のような伏図の柱を今より全て100mm大きくする場合の例をお話します。
書き込み可能レイヤー以外を『仮表示』に切り替える
『仮表示』とは、表示はされるのみで、編集できない状態のことを言います。修正したい柱のレイヤーのみを『表示』にし、他の線まで変更されないようにし、製図をぐっと楽にするということです。
『表示』にしたい線を『属性取得』する
1⃣ 『表示』にしたい線の上にマウスを合わせ、下にドラッグする。
★レイヤーが属性取得の前と後で自動的に切り替わるので、注目していてください。
2⃣ 属性取得した線のレイヤーに切り替わりました。(柱→1グループ・②レイヤー)
☆柱の線は1グループ・②レイヤーに描いてあるということになります。
書き込み可能レイヤー以外を『非表示』にする
1⃣ 『All』ボタンを一回クリックすると、レイヤツールバーの書き込み可能レイヤ以外が『非表示』になります。
2⃣ ① マウスポインタを編集画面内に移動させると
② 図面の表示も、書き込み可能レイヤ以外が『非表示』になります。
書き込み可能レイヤー以外を『仮表示』にする
次にもう一度『All』ボタンを一回クリックすると、レイヤツールバーの書き込み可能レイヤ以外が先程の『非表示』から『仮表示』になります。
編集したい図面の線のみが書き込み可能(色表示)になっていることを確認してください。
拡大する線を『複線』描く
さて、ここから新しい柱の線を描いていきます。使うコマンドは『複線』です。新しい線は違う色で描くのがポイントです。その後、最初の線だけを『属性選択』で選び、削除し、新しい線の色を変えて終わりです。文章では分かりづらい方は、早速一緒にやってみましょう。
書き込み線色を変える
1)まず書き込む線色の設定を変えます。
①『線属性』ボタンをクリック。②柱と違う色をクリック(違う色であれば何色でも)③『OK』をクリック。
拡大する線を複線で描く
2)次に、拡大する柱の線を全て選択します。
①『範囲』ボタンをクリック。②&③ 拡大する柱の線を選択する。
3)いよいよ拡大する線を描きます。
①『複線』ボタンをクリック。② 条件設定ツールバーの『複線間隔』に数字を入力する(この場合”100”)③ 複線が青で表示され、マウスの位置によって柱の中か外か、複線の位置が変わります。位置を確認した状態で、マウスをクリックします。
4)複線が黄色の線で描かれましたね。あとは、緑の線だけを『属性選択』で選び、消して、黄色の線を緑に戻す作業になります。要領が分かれば、全て読まなくても作業できる方もいらっしゃいますね。
古い線のみを『属性選択』で選び消す
1)まず全てのの線を選択します。
①『範囲』ボタンをクリック。②&③すべての線を選択する。④『属性選択』ボタンをクリック。
2)今回消す線を『属性選択』します。
①『指定【線色】指定』ボタンをクリック。②今回消す線の色をクリックして選択。(この場合緑色)③『OK』をクリック。④『OK』をクリック。
3)選択した線のみを『消去』します。
①柱の内側の緑色の線のみが選択され、ピンク表示されたのを確認します。②『消去』ボタンをクリックして、選択した線のみを消去します。
4)複線で描いた線以外が消えました!さあ後は色を戻すだけです。
拡大した線の色を戻す
5)①『範囲』ボタンをクリック。②&③ 全ての線を選択します。④『属性変更』ボタンをクリック。
6)①『指定【線色】に変更』ボタンをクリック。② もとに戻す色をクリックして選択。③『OK』をクリック。④『OK』をクリック。
7)複線で拡大した柱の線が完成しました!
☆柱の寄り等が合っていない場合は、ここでそれぞれ合わせましょう。また、拡大した分他の部材(梁)とのずれがでているので、これも『伸縮』等で調整したらバッチリです!
まとめ
さて、これで『拡大』に関する事をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
1.マウスホイールで画面を『拡大』『縮小』する方法
2.マウスの両ボタンをドラッグして、画面の『拡大』等の操作をする方法。
3.図面に描いた複数のものを一度に『拡大』する裏技
だいぶ長くなってしまいました💧。
”3”について少し補足したいと思います。図面を描いていくうちに、部材の大きさが少しずつ変わっていくことはよくあることです。でも、そのたびに一つ一つ直す場合と直さない場合があります。
パソコンが普及した昨今ではほぼCADで図面が描かれるので、データの重要性が以前に比べ増していますが、建築の申請を出すときは大概A3の紙に印刷した図面を提出しますので、縮尺が1/100の図面の中で、100mmずれていたとしても、実際に印刷したときにはほぼ誤差が分からないレベルです。他の作業とのバランスを見ながら、直したり直さなかったりの判断になります。この作業もひとしきり時間を使うので、修正するかしないかは設計士の方と確認を取りながら進めるのがベストです。
後からサイズが変わった分の誤差。今までの経験則から言うと、正直直さない場合の方が8割くらいで多かったかと思います。ですが、例えば20階建てのRC造のマンションの図面とかになると、100mmの誤差が後々大きなずれにつながってくるので、きちんと直すのが必須になってきたりします。
色々描いてしまうと気が遠くなるかもしれませんが、分からなかったり判断がつかない場合は、設計士の方に確認を取りながら、進めていきましょう。自分が確認を取りたいことを整理しながら、簡潔に聞くのもポイントですよ^^。頑張りましょう!
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